大河内奈々子さんとの離婚劇は、新庄監督の生き方を語る上で欠かせない象徴的なエピソードです。テレビ番組『しくじり先生 俺みたいになるな!!』などでも自ら語ったその顛末は、常識的な夫婦像を完全に打ち破るものでした。
2006年の現役引退後、CM撮影で訪れたインドネシア・バリ島の自然と空気に一瞬で魅了された新庄監督は、「ここに住みたい」と直感。その夜、日本にいる大河内さんへ向けて「今日から俺、バリ島に住むから離婚しよう」とメールで別れを告げたといいます。
当然ながら大河内さんは最初、冗談だと受け止め「そんなの無理に決まっている」と返信したものの、新庄監督の決意は揺るぎませんでした。最終的に大河内さんもその特異な生き方と感性を理解し、合意のもとで離婚届を提出することとなりました。
身勝手とも受け取られかねない決断でしたが、新庄監督なりの誠意の示し方が際立っていました。自身の一方的な都合で生活を変えさせてしまうことへの謝罪と感謝の印として、手元にあった数十億円ともいわれる資金の中から、数億円規模にのぼる財産の大部分を大河内さんに慰謝料・財産分与として譲り渡したのです。泥沼の法廷闘争や醜聞とは無縁のまま、お互いの未来を応援し合う形で別れを選んだ2人の関係には、形式的な夫婦関係を超えた強い敬意が存在していました。