Q1:この歌は誰が詠んだ歌ですか?作者はわかっていますか?
A1:作者は未詳(詠み人知らず)です。『万葉集』巻十四の東歌に収められている歌の多くは、名もなき東国の庶民、旅人、あるいは防人たちによって詠まれたものであり、本歌も多摩川流域で暮らしていた市井の人物、もしくは現地を訪れた旅人による作と考えられています。
Q2:現代でもこの歌にゆかりのある場所を訪れることはできますか?
A2:はい、可能です。東京都狛江市の多摩川左岸(狛江高校近くの河川敷)には、1805年に建立された「万葉歌碑(玉川碑)」が現存しており、東京都の旧跡に指定されています。また、調布市の布多天神社など、周辺地域一帯に布晒しと織物の歴史を伝える史跡が点在しています。
Q3:なぜ「愛しき」と書いて「かなしき」と読むのですか?
A3:古代の日本語において「かなし(愛し・悲し)」は、「胸が締め付けられるほど切なく、愛おしい」という感情を表す言葉でした。対象を愛するあまり胸が痛む感覚を表現するため、万葉集では「愛」という漢字に「かなし」という訓を当てています。現代語の「悲しい」とは原義が異なる点に注意が必要です。