2026年、ボクシングの世界主要団体のベルトを視界に捉え、パウンド・フォー・パウンド(PFP)の議論にすら名を連ねるようになった那須川天心。対戦相手のレベルが世界最高峰へと跳ね上がった今も、彼のファイトスタイルには千葉で培った「泥臭さ」と「創意工夫」が息づいている。
どんなに華麗なフットワークを見せても、勝負の際(きわ)で相手の心を折るのは、少年時代に松戸のガレージで培った無尽蔵のスタミナと鋼のメンタルだ。ラスベガスや有明アリーナの大歓声の中でも、彼の耳には幼い頃に父と駆け抜けたあの日の風の音が響いているのかもしれない。
世界中のボクシングファンが注目するビッグマッチのリングコールで「Chiba, Japan」とアナウンスされる瞬間、地元ファンは言葉にできない誇らしさを噛み締める。