御朱印を拝受する際、ただ社務所の列に並んで帰るだけではあまりにも勿体ありません。西暦757年(天平宝字元年)創建と伝わる櫛田神社の境内には、博多の歴史と信仰を凝縮した貴重な見どころが密集しています。待ち時間や参拝前後にぜひ立ち寄りたい主要スポットをご紹介します。
常設の「飾り山笠」
通常、山笠の山は祭りが終わると速やかに解体されますが、櫛田神社の境内(本殿裏手)には、高さ10メートルを超える絢爛豪華な「飾り山笠」が一年中常設展示されています。表(表側)には武者絵などの勇壮な歴史絵巻、見送り(裏側)にはアニメや民話などを題材にした華やかな人形が飾られ、博多人形師たちの超絶技巧を間近で鑑賞できます。御朱印の墨書にも通じる博多の魂を肌で感じられる絶対の見どころです。
力石(ちからいし)
境内の一角に並ぶ、抱えきれないほどの巨大な楕円形の石群。これらは江戸時代から明治・大正期にかけて、力自慢の博多の相撲取りたちが力比べに持ち上げ、神前に奉納した「力石」です。名横綱・双葉山や貴乃花、白鵬といった近代・平成の歴代横綱が奉納した「試石」も鎮座しており、博多の町と大相撲の深い結びつきを物語っています。
御神木「櫛田の銀杏(ぎんなん)」と夫婦恵比須神社
本殿前で圧倒的な存在感を放つ御神木「櫛田の銀杏」は、樹齢千年を超えるといわれる県指定天然記念物です。古くから「延命長寿のシンボル」として信仰を集め、博多祝い唄(祝いめでた)の歌詞にも「さても見事な櫛田の銀杏」と歌い継がれてきました。また、境内奥に鎮座する末社「夫婦恵比須神社(めおとえびすじんじゃ)」は、全国的にも珍しい夫婦の恵比須様が祀られており、夫婦円満や良縁成就の隠れた最強パワースポットとして知られています。
これら境内の名所をじっくり巡ることで、拝受した御朱印の印影ひとつひとつに込められた歴史的文脈が、より一層鮮やかに立ち上がってくるはずです。