在宅医療のリアルな現実を浮き彫りにし、世間に強烈なインパクトを与えたのが映画『苦しまない死に方』だ。本作は、長年現場で患者と向き合い続けてきた医師・長尾和宏の著作や実話をベースに、社会派映画の名手である高橋伴明監督がメガホンをとった注目作である。
劇中で描かれるのは、綺麗な美談ばかりではない。病院での延命治療によって人工呼吸器や管に繋がれたまま最期を迎える患者の苦痛、そして自宅で痛みを取り除きながら家族と共に静かな時間を過ごす患者の姿。対照的な両者のプロセスを通じて、観客は「生きる意味」と「死の質」を力強く突きつけられる。現場の生々しい葛藤を描いたプロットは、多くの人々に衝撃を与えた。