「コンパクトSUVなら小さくて運転しやすく、燃費も良くて価格も手頃だから絶対に安心」という言説がネット上で散見されますが、ここにも重大な落とし穴が存在します。
近年のコンパクトSUVの一部モデルは、ベースとなっているBセグメントのコンパクトカーと同一のプラットフォームやエンジンを採用しています。しかし、ボディのかさ上げと意匠パーツの追加により、車重はベース車より50〜100kg重くなっています。その結果、「コンパクトカーほどキビキビ走らず、燃費も悪化し、室内空間はほぼ同等なのに車両価格だけが40万〜60万円高い」という中途半端なパッケージングに陥っている車種が実在します。
また、リセールバリューに関する誤解も深刻です。「SUVなら何でも高く売れる」というのは過去の神話に過ぎません。現在の国内および輸出市場で高残価を維持しているのは、以下のような明確な強みを持つ車種に二極化しています。
強固なラダーフレーム構造を持つ本格オフローダー(ランドクルーザーシリーズ、ジムニー等)や、海外市場で絶大な信頼を得ているトヨタ・レクサスのハイブリッド系、そして独自の高いデザイン性と走行性能で指名買いされるマツダの一部ディーゼルモデルなどは強気のリセールを維持しています。一方で、特徴のない前輪駆動(FF)のガソリン仕様エントリーグレードや、モデル末期の不人気グレードは、3年目の査定で大幅に叩かれるのが冷厳な現実です。