RADWIMPS初期の楽曲群は、野田洋次郎自身の恋愛体験が極めてストレートに反映されていることで知られています。自著や当時の音楽雑誌インタビューの証言を辿ると、インディーズ期からメジャー初期にかけての代表曲には、当時交際していた特定の女性に対する感情が濃密に刻まれていました。
『有心論』や『ふたりごと』で描かれた無敵の愛の肯定から一転、『me me she』ではその関係に決定的な終止符が打たれた現実が描かれます。フィクションの物語として作られた失恋ソングとは一線を画し、野田洋次郎 彼女 実話としての私小説的リアリティが根底にあるからこそ、聴き手の胸を鋭く抉るのです。
別れを告げられた側のどうしようもない無力感、相手の幸福を願いつつも「自分のいない未来」を受け入れきれないエゴイズムが、一切の装飾を排して吐露されています。取り繕わない生身の感情の記録である点が、本楽曲を単なるポップスを超えたドキュメンタリーへと昇華させています。