手に入れた極上肉のポテンシャルを100%引き出すには、調理法にも一工夫が必要だ。鉄板焼きの巨匠が推奨する焼き方は、肉を冷蔵庫から出して必ず常温に戻すことから始まる。冷たいまま加熱すると脂が溶け切らず、本来の旨味が損なわれるからだ。
フライパンや鉄板を煙が出る手前まで強火で熱し、表面を一気に焼き固めて肉汁を閉じ込める。その後、弱火でじっくりと熱を通すのが鉄則だ。オレイン酸を豊富に含む脂肪は、低い温度で溶け出す性質を持つ。塩とワサビだけでシンプルに味わえば、くどさを一切感じさせない、甘く芳醇な脂の旨味が口いっぱいに広がる。