テレビやラジオの気象解説で長年親しまれてきた気象予報士の森田正光氏は、かつて都市部における局地豪雨の危険性について「アスファルトで覆われた街路は、雨水を吸収する天然のスポンジを奪われた状態だ」と警鐘を鳴らした。土が水を吸わない街では、わずか10分間に降る猛烈な雨が側溝から溢れ出し、道路を水路へと変えてしまう。
京都市内でも同様の構造的な脆弱性は存在する。碁盤の目状に整備された市街地は美しく機能的だが、傾斜に沿って水が一気に低地へと流れ込む特性を持つ。レーダーが示す真っ赤な豪雨コアが街の中央に乗った瞬間、地下街の入り口やアンダーパスは一転して排水のボトルネックと化す。雨量計の数値だけでなく、自らが立っている地形の高低差を強く意識すべきだと、森田氏の警句は今も私たちに教えている。