2017年2月28日、堀北真希さんは所属事務所「スウィートパワー」との契約満了に伴い、直筆のメッセージをもって芸能界を電撃引退しました。当時のメッセージには以下のように綴られていました。
「この度、これまでやってまいりましたお仕事を離れることを決意致しました。現在私は母になり、愛する家族と幸せな日々を送っています。このあたたか、かけがえのない幸せを全力で守り続けたいと思っています。夫とも話し合い、私の気持ちを尊重してくれました。」
当時、28歳という女優として脂の乗り切った時期での完全引退は、業界内外に計り知れない衝撃を与えました。そのためネット上では「所属事務所社長との不仲説」や「過酷な労働環境へのバーンアウト(燃え尽き症候群)」など、堀北真希 引退理由の真相を巡る様々な憶測が飛び交いました。
しかし、当時の関係者の証言や手記、夫である山本耕史さんのメディアでの述懐を紐解くと、彼女の決断は突発的なものではなく、デビュー当初から抱き続けていた人生観に基づく必然的な帰結であったことが分かります。中学2年生でスカウトされて以降、休む間もなくトップを走り続け、プライベートの時間を削って作品に向き合ってきた彼女にとって、「温かい家庭を築き、自らの手で子供を育てること」は何物にも代えがたい最優先の価値観でした。
名声や巨額のギャランティに未練を一切残さず、自らの人生の主導権を自分の手で取り戻す——その毅然とした生き方こそが、彼女が引退から9年が経過した現在もなお、多くの人々からリスペクトを集め続ける最大の理由と言えます。