画面越しに見るタレントの口元に対して、視聴者が「綺麗すぎるけれど何かが違う」と違和感を覚える現象には、明確な構造的理由が存在します。歯科現場で使用される歯の色見本(シェードガイド)において、日本人の平均的な天然歯の色味相場は「A3〜A3.5」前後とされています。これに対し、多くの芸能人が指定するのは、天然歯の限界を超えたホワイトニングシェードである「BL1(ブリーチングシェード最上位)」や「0M1」といった規格外の白さです。
強烈なスタジオ照明やカメラのフラッシュを受ける現場では、自然な色味だと画面上でくすんで見えてしまうケースがあります。そのため、あえて人工的な純白を選ぶタレントが多いのが実情です。しかし、これが自然光の下や日常のバラエティ番組に映し出されると、肌の色や唇のトーンから完全に乖離してしまいます。
X(旧Twitter)などのネット上では、「歯だけが発光している」「笑うと便器の陶器のような白さが目立つ」といった辛辣な投稿がトレンド入りすることも珍しくありません。天然歯特有の「先端の透明感」や「根元から切端にかけての色彩グラデーション」を排し、単一の不透明な白さで統一された前歯は、人間の目が無意識に識別する生体反応として「不自然」と認識されてしまうのです。