時代が変わった。かつて「アラ」といえば、安さだけを目当てに買われるか、店側が廃棄に頭を抱える厄介者だった。だが現在のインフレ下において、消費者の視線は驚くほど合理的だ。骨のまわりに残る身は、運動量が多いため引き締まり、加熱してもパサつかない。魚で最も旨味が詰まっている場所がどこなのか、家庭の料理人たちが気づいてしまったのだ。
SNSを開けば、かつての華美な映え料理は影を潜め、いかに安価なアラを料亭の味に昇華させるかという実験的なレシピが何万もの「いいね」を集めている。無駄を出さず、安く、信じられないほど美味い。この徹底した生活防衛と美食の両立こそが、2026年を象徴するリアリズムに他ならない。