大腸がんの最大の特徴は、前がん病変である「大腸ポリープ(腺腫)」の段階で発見し、内視鏡で切除してしまえば、将来のがん発症そのものを予防できる点にあります。医学的には「クリーンコロン(大腸内をポリープのない状態に保つこと)」が提唱されており、内視鏡によるポリープ切除は大腸がん死亡率を劇的に引き下げることが証明されています。
個々人のリスクプロファイルに応じ、どのようなアクションを起こすべきか、客観的な判断基準を以下に整理します。
直ちに大腸内視鏡検査を受けるべき人
- 便潜血検査で1回でも「陽性」の判定が出た人(2回中1回のみでも同等のリスク)
- 便に血液や赤黒い粘液が混じる自覚症状がある人
- 数週間にわたり便が細くなったり、下痢と便秘の繰り返しが治まらない人
- 親、兄弟、子どもなど第1度近親者に大腸がんの罹患者がいる人
40歳を超えて一度も内視鏡検査を受けていない人への推奨
40歳を過ぎると大腸がんの罹患率は急激に上昇します。これまで一度も内視鏡検査を受けたことがない場合、症状の有無にかかわらず、一度ベースラインとしての内視鏡検査を受けることが推奨されます。ポリープが見つからず粘膜に異常がなければ、次回は医師の指示に従い2〜3年後の検査で十分なケースが一般的です。
過度な不安を避け、まずは検診から始めるべき人
20代〜30代前半で家族歴がなく、一時的な便通異常のみである場合、過度にがんを恐れる必要性は低いです。まずは食生活の改善(食物繊維の摂取、水分補給)を図り、症状が長引く場合に一般内科や消化器科へ相談するのが適切なステップです。