レコード店やコレクションを眺めると、ジャケットの大きさや中心部の穴の形状が異なる複数のフォーマットが存在することに気付きます。初心者が最も混同しやすいのが「LP盤」と「EP盤」の区別、そして俗に呼ばれる「ドーナツ盤」の位置づけです。
LP盤(ロング・プレイ)は、直径12インチ(約30cm)の盤面を持ち、1分間に33と3分の1回転(33 1/3 rpm)の低速で回転します。片面に約20〜25分、両面で40分以上の収録が可能なため、複数の楽曲をテーマに沿ってまとめたフルアルバムのリリースに用いられます。
EP盤(エクステンデッド・プレイ)は、直径7インチ(約17cm)の小型盤で、1分間に45回転(45 rpm)で回す規格が基本です。もともとは米RCAビクター社がLPに対抗して開発したシングル盤規格で、片面に1〜2曲、約3〜5分を収録します。回転速度が速いぶん外周スピードが稼げるため、音質や音圧のダイナミクスを稼ぎやすいメリットがあります。
日本で「ドーナツ盤」と呼ばれるものは、この7インチEP盤の中心部に直径約38mmの大きな穴が開けられたタイプを指します。1950年代に欧米の飲食店やバーで大流行した「ジュークボックス」の自動レコード演奏機において、アームが素早く盤を掴んで中央軸にセットできるように設計された機構の名残です。家庭用プレーヤーでドーナツ盤を再生する際は、センターアダプター(通称:EPアダプター)を中央ピンにはめ込んで穴の隙間を埋める必要があります。
現在市販されている一般的なレコードプレーヤーは、スイッチひとつで「33回転」と「45回転」の切り替えができるようになっており、盤のサイズとラベルに表記された回転数を確認してセッティングを行います。誤った回転数で再生するとピッチ(音の高さとテンポ)が極端に狂うため、再生前の確認が基本動作となります。