歴史ある店だからこそ、インターネット上ではいくつかの誤解や混同も見られます。代表的な2つのポイントを整理しておきます。
第一に、「萬盛庵」という屋号を持つ他店との混同です。首都圏各地に「萬盛庵」を名乗る蕎麦屋が点在していますが、文京区春日に位置する「稲荷蕎麦 萬盛 総本店」は、澤蔵司稲荷の開創伝承に直結する唯一無二の本家本元です。暖簾分けや同系統の店舗とは歴史的背景や奉納の儀礼において一線を画しています。
第二に、店舗外観と歴史のギャップに関する誤解です。「創業400年の老舗」と聞くと、木造長屋や茅葺きのような古民家建築を想像して訪れる旅行者が少なくありません。しかし、前述の通り萬盛は2013年に現代的なビルイン店舗へと全面改装しています。歴史の趣は内装の調度品や提供される器、そして何より澤蔵司稲荷との関係性の中に息づいているため、現代的な外観に惑わされず暖簾をくぐることが肝要です。