大野智が現在もなお嵐という母体を完全に切り離していない決定的な証拠が、2024年4月に発表された「株式会社嵐」の設立です。旧事務所の性加害問題に伴うマネジメント体制の刷新(STARTO ENTERTAINMENTへの移行)を契機に、メンバー5人は自ら主体となって会社を設立しました。
発表された公式連名声明には、相葉雅紀、松本潤、二宮和也、櫻井翔と並び、確かに「大野智」の署名が記されていました。この動きの背景には、外部の環境変化によって嵐というグループの肖像権や過去の楽曲権利、そして何より「嵐」という屋号そのものが散逸することを防ぐという、極めて現実的かつ戦略的な判断がありました。
芸能プロ幹部は当時の内幕をこう振り返ります。
「大野さんは自発的に芸能活動を再開させたいわけではありません。しかし、自身が青春のすべてを捧げ、ファンと共に築き上げた『嵐』という大切な居場所を消滅させることには強く反対していました。5人で会社を作るという提案に対し、大野さんは『自分たちの責任で自分たちの名前を守るためなら』と快諾したと聞いています」
また、大野のアイデンティティの中核を成す「アート作品」の制作についても、歩みを止めたわけではありません。2020年に開催された3度目の個展『FREESTYLE 2020 大野智 作品展』では、緻密な細密画や巨大なヘッドフィギュアが展示され、芸術家としての類まれな才能を世に知らしめました。現在、宮古島に構えた拠点にはアトリエが設けられており、時間を気にせず絵の具とキャンバスに向き合う日々を送っていると伝えられています。商業的な締め切りに追われない環境下で描かれる作品群は、将来的な発表の場が用意されるか否かを問わず、大野の内面を豊かに満たし続けています。