初めて金魚を飼う人の多くが買い求めるのが、小型ガラス水槽とエアーポンプ、カルキ抜きが同梱された金魚飼育初心者セットです。手軽にすべてが揃う便利なパッケージですが、アクアリウムの現場では「このスターターキットこそが最初の挫折を生んでいる」と指摘する専門家も少なくありません。
盲点となるのは、セットに付属するフィルターの吐出量と金魚の体型のミスマッチです。琉金(リュウキン)や出目金(デメキン)、ピンポンパールといった丸っこい体型の品種は、極めて遊泳力が弱く、水流に逆らって泳ぐことができません。付属のポンプパワーが強すぎると、水槽内に激しい水流の渦が発生し、金魚が常に全力疾走を強いられる状態に陥ります。
結果として金魚は体力を急速に消耗し、水槽の隅で沈んで動かなくなる「水流疲労」を起こします。安価なセットを購入した場合でも、チューブの途中に100円ショップやアクアショップで手に入る「エアー調節バルブ(コック)」を1つ挟み、気泡の勢いを金魚がゆっくり泳げる微弱なレベルまで絞ってあげることが、生存率を高める決定的な鍵となります。