この一連の騒動において、最も大きな傷を負ったのは間違いなく、大人たちの都合に翻弄された長男だろう。自身のルーツが全国に晒されるという想像絶する苦痛のなか、彼はアイデンティティの葛藤と戦わねばならなかった。
騒動後、彼は海外生活などを経て大人へと成長した。かつて育ての親である大沢に対して複雑な感情を吐露することもあったが、時間の経過とともに自立したひとりの人間としての道を模索し始めた。血の繋がりという科学的事実と、共に過ごした時間の記憶。その間で揺れ動いた彼の人生は、血縁主義にとらわれない真の「家族の絆とは何か」という重い問いを投げかけている。