ポスターの中央で兄妹を包み込む光を詳細に分析すると、丸い光と涙型(滴状)の光が明確に描き分けられていることがわかる。丸い光は言うまでもなく本物のホタルだ。一方で、上空から斜めに降り注ぐ細長い光の粒は、太平洋戦争末期に日本本土を焼き尽くしたM69油脂焼夷弾から飛び散る油脂火炎を模したものにほかならない。
ホタルの命は儚く、わずか数日で潰える。そして空から降る焼夷弾もまた、一瞬で街を焼き払い、幾千の日常を奪い去る。命の輝きと死の破壊。全く異なる二つの事象を同じ「黄色い光」として画面上に同化させた職人技は、一目見ただけでは気づけない不気味な叙情性を生み出している。