日本の建築物を脅かす主要シロアリには、「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2大勢力が存在します。寒冷地を除く日本全国(北海道北部を除く)に広く生息するのがヤマトシロアリであり、主に関東以西の沿岸部や温暖な地域に定着しているのがイエシロアリです。
両者の最大の違いは「加害スピード」と「巣の構造」にあります。公益社団法人日本しろあり対策協会などの学術データに基づき、生態と被害特性を整理した比較表は以下の通りです。
ヤマトシロアリは特別強固な固定巣を作らず、「自らが食い荒らした木材の中」そのものを移動巣として生活します。水を運ぶ能力がないため、雨漏り箇所、浴室・キッチンの床下、結露した土台など、湿度の高い湿潤環境を好んで集中的に加害します。進行速度はイエシロアリに比べて緩やかですが、放置すれば建物を支える土台や大引(おおびき)がスカスカになり、震度5強程度の地震でも倒壊リスクが跳ね上がる要因となります。