芸能人の違約金は誰が払う?Cm損害賠償の相場と事務所負担の実態

芸能人の違約金は誰が払う?Cm損害賠償の相場と事務所負担の実態

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仮に数億円規模の賠償金が確定したとして、預貯金や個人資産が到底追いつかない場合、現実はどう動くのでしょうか。世間では安易に「破産すればゼロになる」と語られがちですが、芸能人の違約金が払えない場合の法的救済には、極めて分厚い壁が立ちはだかります。

最大の争点となるのが、芸能人の違約金と自己破産をめぐる破産法上の解釈です。日本の破産法第252条第1項第6号および破産法第253条第1項第2号・第3号には、「悪意で加えた不法行為」や「故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為」に基づく損害賠償請求権は、自己破産を行っても帳消しにできない(非免責債権)と規定されています。

例えば、飲酒運転による人身事故や明確な法令違反、あるいは故意による契約違反行為で莫大な違約金を発生させた場合、裁判所から免責許可が下りない可能性が極めて高くなります。仮に通常の債権として破産免責が認められたとしても、そこには業界追放という厳しい現実が待ち受けています。

そのため、実務上選択されるのは破産ではなく「事務所による債権の肩代わりと、専属奴隷契約に近い返済合意」です。大手事務所がスポンサーへの支払いを立て替え、タレントは事務所に対して巨額の借金を負う形を取ります。その後、裏方作業や細々とした営業活動、YouTubeなどのネット配信、あるいは芸能界以外の事業を通じて、毎月の報酬から過半を返済に充て続ける「10〜20年スパンの返済計画」が水面下で結ばれるのが通例です。

当時の記者会見や本人の手記で「すべてを失った」「返済のために働く」と語られる言葉の裏には、法的な破産申立ても許されず、人生の主導権を完全に事務所へ握られた生々しい実態が横たわっています。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。