千両道化のバギーがロジャー海賊団の見習い時代、誤って飲み込んでしまった悪魔の実が、超人系に分類されるバラバラの実です。自身の肉体を幾重にも分離させ、空中に浮遊させながら自在に遠隔操作できる特異な性質を持っています。物語の序盤ではトリッキーな奇襲技として描かれていましたが、戦闘理論の観点から分解していくと、極めて特異な防御スペックを備えていることが分かります。
この能力の最大の特徴は、肉体が刃物によって切り裂かれたとしても、単に「分離した状態」として処理される点にあります。刺突や斬撃によるダメージ判定そのものが発生しないため、刃物使いにとっては天敵とも言えるパッシブ防御を誇ります。さらに、分離した各パーツは空中を縦横無尽に飛行可能であり、大砲の弾をくぐり抜けるような細やかな回避行動も容易に行えます。
一方で、尾田栄一郎氏がコミックスの読者質問コーナー(SBS)で明かした通り、この自由な飛行能力には厳格な物理的制約が課せられています。それが「足」に関する絶対ルールです。
飛行中のパーツが空中を維持するためには、足の裏が地面(または船の甲板などの足場)に接地していなければならないという制約です。足自体を宙に浮かせることはできず、他の身体パーツが浮遊可能な有効範囲も「地面についた足を中心とした直径約200メートルの球体エリア内」に制限されます。この限界距離を超えると操作不能に陥り、パーツは地上へと落下します。
加えて、身体を細かく分離できる代償として、分離した個々のパーツを捕獲・拘束されたり、宝箱や樽の中に封印されたりすると、本体の戦闘力や機動力が劇的に削がれるという構造的弱点を抱えています。東の海(イーストブルー)編でルフィとナミに身体の大半を縛られ、手足だけの小型形態に追い込まれた場面は、まさにこの弱点が露呈した典型例でした。