2018年の就任以来、森保一監督ほど評価が激しく乱高下した指揮官も珍しくありません。東京五輪でのメダル逸失やアジア最終予選序盤の躓き、アジアカップでの敗退局面では、SNS上で「#森保解任」のハッシュタグが瞬く間にトレンド入りし、采配への不満が渦巻きました。
ネット上で指摘されてきた主な戦術的不満は、以下の点に集約されます。
- 固定化されたメンバー選考と交代カードを切るタイミングの遅さ
- 明確なポジショナルプレーの原則が見えず、選手の即興性に頼っているように映る攻撃構築
- アジア勢の引いたブロックを崩しきれない局面での手詰まり感
しかし、森保体制がカタールW杯でドイツやスペインを破り、その後の国際親善試合でも欧州列強を粉砕し続けたことで、専門家やメディアの評価は劇的に好転しました。森保監督が実践しているのは、トップダウンで戦術を押し付ける旧来型の名将スタイルではなく、欧州最前線でプレーする選手たちの意見を能動的に引き出す「ファシリテーター型リーダーシップ」です。ピッチ脇で熱心にペンを走らせる「森保ノート」に象徴される傾聴の姿勢こそが、強烈な個性を持つトッププロたちの一体感を生み出しています。
2026年北中米W杯へ向けて、進退に関する議論は「解任論」から「W杯ベスト8以上の壁をいかに突破するか」という建設的な戦術論争へとシフトしました。主力の負傷離脱や対戦相手のスカウティング対策に対し、3バックと4バックを柔軟に使い分ける戦術的引き出しの多さが、現在の森保ジャパンにおける最大の強みとなっています。