龍頭が滝の魅力は、季節によって全く異なる表情を見せる点にあります。どの時期に訪れても息をのむ絶景に出会えますが、特筆すべき3つのハイシーズンが存在します。
第1のハイライトは、毎年8月14日に開催される伝統行事「龍頭が滝まつり(滝開き)」です。地元住民や観光客が集い、安全祈願の神事に続いて、伝統芸能である「滝音頭」が滝前で奉納されます。青々とした深緑と轟く滝のマイナスイオンに包まれながら、地域に受け継がれてきた文化の熱気に触れられる特別な一日となります。
第2のハイライトは、10月下旬から11月中旬にかけて迎える紅葉の見頃です。渓谷一帯のカエデ、ブナ、ナラなどの広葉樹が鮮やかな赤や黄色に染まり、黒々とした玄武岩の岩壁と白い水瀑、そして紅葉のコントラストが極上の日本画のような美しさを生み出します。
そして第3のハイライトが、1月下旬から2月の厳冬期に現れる「氷瀑(ひょうばく)」です。中国地方でありながら標高と気候条件が重なり、寒波が襲うと落差40メートルの大滝が巨大な氷の彫刻へと変貌します。滝の一部が凍結して青白く輝く姿は息を呑む迫力ですが、冬期の道路は積雪・路面凍結が発生するため、スタッドレスタイヤの装着と足元のアイゼン・防寒対策が欠かせません。