SNSや美容動画などで「爪やすり(バッファー)で表面を磨けば縦じわが一瞬で消えてツヤが出る」といった情報が拡散されることがあります。確かに、研磨剤で凹凸を削り落とせば、一時的に表面は滑らかになり光沢が生まれます。しかし、この方法は爪の構造上、極めてリスクの高い悪手です。
成人の爪の厚さは平均してわずか約0.5mmしかありません。縦じわの谷部分に合わせて表面を削り取ると、爪の厚みは30〜50%も減少し、極度に薄くなってしまいます。薄くなった爪は水分蒸発が加速してさらに乾燥し、結果として新しく生えてくる爪の縦じわを悪化させる悪循環に陥ります。さらに、わずかな衝撃で割れたり、先端から層状に剥がれる「二枚爪」の原因にも直結します。
爪は一度生え出た部分が生きた細胞として自己修復することはありません。したがって、爪の縦筋の根本的な治し方とは、今ある爪を削って平らにすることではなく、「これから生えてくる爪母組織を健やかに育て、既存の爪を油分で保護する」という視点への転換が不可欠です。