日本の保護者が最も衝撃を受ける分野のひとつが、食事と校則の現実です。栄養バランスの取れた温かい給食が提供される日本とは異なり、アメリカの学校給食事情と持ち込みランチは徹底した合理主義に貫かれています。
全米学校給食プログラム(NSLP)に基づき提供されるカフェテリアのメニューは、ピザ、チキンナゲット、ハンバーガー、タコスといったファストフードライクな主食に、紙パックの牛乳(プレーンまたはチョコレートミルク)、一口サイズのベビーキャロット、丸ごとのリンゴやオレンジが添えられるのが定番です。連邦政府による栄養ガイドラインの改定が進められているものの、調理スタッフの省力化とコスト削減のため、既成の冷凍食品をオーブンで再加熱する提供形式が主流を占めます。
一方、自宅から持参する「ブラウンバッグ(紙袋)」やランチボックスの中身もシンプルそのものです。 食パンにピーナッツバターとジャムを挟んだ「PB&J(ただし近年は重度のアレルギー対策でピーナッツ禁止の学校が多数派)」や、ジップロックに入れたハム&チーズサンド、市販のランチ用スナック詰め合わせキット(クラッカーとチーズ、加工肉のセット)、ポテトチップスといった「冷たいまま食べる保存食」が並びます。温め直す電子レンジが学校にないことも多く、日本のような手の込んだキャラ弁を持参すると、逆に周囲の児童から奇異の目で見られたり強い匂いを警戒されたりすることすらあります。
アメリカ学校の校則や服装ルールの真相に関しても、日本の感覚とはピントがずれています。髪の染色、メイク、マニキュア、ピアスなどは自己表現として小学校から自由であるケースが大半です。しかし、安全性や治安維持に関わる制限は極めて厳格です。
- 露出度の制限:キャミソールのように肩ひもが極端に細い服(スパゲッティストラップ)、へそ出しトップス、短すぎるショートパンツの着用禁止。
- 暴力・違法行為の連想禁止:武器のイラスト、アルコールや大麻のロゴ、人種差別的なスラングがプリントされたTシャツの禁止。
- ギャングカラーの排除:特定のギャング組織を連想させるバンダナ、特定色のシューレース(靴ひも)、特定のスポーツチームキャップの着用禁止。
「見た目を統一して集団の秩序を保つ」日本の校則に対し、アメリカのドレスコードは「校内でのトラブル誘発や犯罪リスクを未然に防ぐ」ためのリスクマネジメントとして機能しています。