犬の知性を語る上で外せないのが、カナダの心理学者スタンリー・コレン博士が体系化した犬の知能分類だ。コレン博士は、人間の指示を素早く理解して実行する「作業・服従知能」、自力で環境に適応する「適応知能」、そして狩猟や牧羊など生まれ持った「本能的知能」の3軸で犬の認知能力を定義した。
ボーダーコリーやプードルが知能ランキング上位の常連とされる一方、最新の研究は「指示に従わない=頭が悪い」という短絡的な評価を明確に否定している。かつて頑固と評されたテリア種やハウンド種は、人間の介入なしに独力で獲物を追跡・判断する高い適応知能を備えているに過ぎない。他者の意図を忖度する社会的知性において、犬は人間の2〜3歳児に匹敵する共感力を持つ。彼らは単語の音だけでなく、発話者の声のトーンや瞳孔の散大、微細なフェロモンの変化を統合して人間の感情をミリ秒単位で読み解いている。