イベントの根底に流れるのは、徹底した本物へのこだわりだ。後援に名を連ねる在日ドイツ商工会議所の厳格な監修のもと、会場に並ぶソーセージ、シュトーレン、クラフトビールに至るまで、本場ザクセン州やバイエルン州の伝統レシピが忠実に再現されている。単なる商業的な催事とは一線を画す文化的深みが、ここには確かにある。
会場内を見渡せば、精巧な木彫りのくるみ割り人形やエルツ地方の伝統工芸品が所狭しと並ぶ。12月6日の聖ニコラウスの日にちなんだ特別プログラムなど、ヨーロッパ古来の伝承を肌で感じられる仕掛けも随所に散りばめられている。子どもたちに小さなお菓子を手渡す聖ニコラウスの姿は、遠い異国の温かな家庭の情景をそのまま東京の夜に甦らせているかのようだ。