和田氏の人生観や家族観を理解するうえで欠かせないのが、これまでの華麗なキャリアと臨床経験です。1960年大阪府生まれの和田氏は、灘中学校・高等学校を経て東京大学医学部を卒業。東大病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローなどを歴任し、一貫して老年精神医学と臨床現場の最前線に立ち続けてきました。
30年以上にわたり高齢者医療の現場で数千人以上の患者やその家族を診察してきた経験から、和田氏は「家族や夫婦関係のあり方が晩年の幸福度を大きく左右する」という事実を痛感してきました。
「家族だから仲良くしなければならない」「夫婦はこうあるべきだ」という世間の常識や固定観念に縛られてストレスを溜め込む高齢者を数多く見てきたからこそ、和田氏は肩の力を抜いた「ほどよい距離感の人間関係」を提唱し続けています。その実践の場こそが、自身の家庭生活であり妻とのパートナーシップなのです。