化学物質のデマに怯える人が多い一方で、消費者が無自覚に冒している最大の健康リスクがペットボトル再利用の危険性です。「節約になるから」「エコだから」と、飲み終わった空きボトルをお茶や水で何度も詰め替えて水筒代わりに使う習慣には、明確な細菌汚染の脅威が潜んでいます。
衛生微生物学の検証データによれば、一度でも直接口をつけて飲んだペットボトルの内部には、口腔内の常在菌や唾液が流入します。室温(25℃〜30℃前後)で放置した場合、わずか数時間で細菌が増殖し、24時間後には菌数が数百倍から数千倍に爆発的に跳ね上がることが確認されています。口径が狭いペットボトルは内部を物理的にスポンジで擦り洗いすることが難しく、水滴が残ることでカビやバイオフィルムの温床となります。この不衛生な状態こそが、下痢や急性胃腸炎を引き起こす真のリスクです。
もう一つ、学術界で注目度が上がっているのがペットボトルのマイクロプラスチック影響です。近年のレーザー分光分析技術の飛躍的進歩により、市販のボトル入りミネラルウォーターから肉眼では見えないナノプラスチック粒子が多数検出されたとする論文が国際誌で相次いで発表されました。これを受けてペットボトル発がん性の噂と真相が再び取り沙汰されています。
現段階における世界保健機関(WHO)の公式評価では「現時点で得られている証拠に基づけば、飲料水中のマイクロプラスチックがヒトの健康に重大なリスクをもたらすという決定的な証拠はない」とされています。微粒子の大部分は消化管を通過して体外へ排泄されると考えられていますが、細胞膜を通過する超微小ナノ粒子の長期蓄積性については、世界中の毒性学者による追跡調査が継続されています。