現代の洋裁シーンにおいて、効率化を優先する大量生産の現場と、質感にこだわるオートクチュールの現場では、端処理のアプローチが大きく異なる。アパレル産業ではスピードと強度が求められるためロックミシンが主流だが、薄手のシルクや繊細なニット、ヴィンテージ風の仕立においては、職人の手による巻きかがり縫いが不可欠なピースだ。
イギリス発の人気番組『ソーイング・ビー』の影響もあり、世界中のアマチュア裁縫家たちが自作服の裏側の美しさに注目し始めた。見えない部分の丁寧な処理こそが、服の着心地と寿命を決定づける。表地を引き立てる隠れた主役なのだ。