昭和の年末の象徴であるNHK紅白歌合戦のステージでも、二人は特別な存在感を放っていた。NHKのカメラの前で見せるプロフェッショナルな顔の裏で、交際時や離婚直後も常にメディアの注目の的にされ続けたストレスは察するに余りある。
楽屋裏での二人は、周囲が緊張するほどの静けさを纏っていたという。だが、決してギスギスした仲ではなく、舞台袖ですれ違う瞬間には互いに目配せをし、プロとして歌に命を吹き込む同志のような絆が存在していた。ゴシップ誌が面白おかしく書き立てた愛憎のドロドロ劇とは異なり、現場のスタッフが目撃していたのは、互いの歌唱力と存在感に対する圧倒的な敬意だった。