要因は複合的だ。最大の引き金となったのは、近年の極端な気候変動と住環境の変化である。都市部におけるマンション価格の高騰と狭小化に伴い、従来の犬猫の飼育ハードルは上がり続けている。対照的に、省スペースで完結し、ニオイや音の問題が極めて少ないトカゲやヘビ、ヤモリ類への注目が高まった。
また、Z世代を中心に「映えるペット」から「静寂を共有するパートナー」への価値観のシフトが起きている。SNSのタイムラインを飾るのは、華やかな猫の動画だけではない。苔生したテラリウムの中でじっとたたずむヒョウモントカゲモドキの、どこか哲学的とも言える表情だ。無駄な感情移入を求めない、適度な距離感こそが現代人のメンタルヘルスに寄り添う。