現場を訪れると、防音シートで高く覆われた旧施設から、重機の低い稼働音が連日周囲に響いている。老朽化した幾重もの特殊鉄骨構造を安全かつ慎重に撤去する作業は、高密度な住宅密集地に隣接する現場ならではの高度な工法が求められる。
現在進められている地上部分の撤去は最終段階を迎えており、今後は地下構造物の解体および土壌環境調査へと移行する見込みだ。工程管理は綿密になされており、安全対策を最優先とした近隣への配慮が徹頭徹尾貫かれている。街の記憶を刻んだビルが姿を消す寂しさと同時に、新たな空間が生まれる期待感が現地に充満している。