結論から述べると、里芋の茎は正しく下処理を施せば非常に美味しく食べられる伝統野菜です。一般に流通する里芋の地上部である葉柄は、古くから日本各地の農村で無駄なく栄養を摂取するための貴重な副産物として親しまれてきました。しかし、店頭で見かける呼び名にはいくつかのバリエーションがあり、混同されがちです。
名称と定義の境界線を整理すると、まず生の葉柄全般を指す総称が「ずいき(芋茎)」です。特に八ツ頭(やつがしら)などの赤紫色の茎を持つ品種は「赤ずいき」、軟白栽培されたものは「白ずいき(白ダツ)」、主に茎を食べる専用品種であるハスイモは「青ずいき」と呼ばれます。そして、これら生のずいきの皮をむき、天日乾燥させて保存性を高めた乾物が「芋がら(干しずいき)」に該当します。
注意すべきは、すべての里芋の茎が無条件に美味しく食べられるわけではないという点です。子芋を収穫する一般的な品種(土垂や石川早生など)の茎は、食用専用に改良された品種(ヤツガシラやハスイモ)に比べてアクとえぐみが極めて強く残留しやすい性質を持っています。食用自体は可能であるものの、調理前の入念な下処理が味の決定打となります。