里芋の栽培期間は非常に長く、植え付けから収穫までおよそ180日〜210日(約半年間)を要します。一般的な収穫時期は10月上旬から11月下旬にかけてですが、昨今の気候変動に伴う残暑の長期化や急激な寒波の到来を考慮すると、日付のカレンダーだけで判断するのは極めて危険です。里芋が土の中で完熟し、デンプンが十分に蓄えられたことを知らせる「3つの決定的なサイン」を見逃さないようにしましょう。
最大の指標となるのが「下葉の黄変と葉柄の垂れ下がり」です。夏場に青々と繁っていた大きな葉が役目を終え、一番下の葉から黄色く変色して枯れ落ちていきます。全体の葉の約半分から3分の2程度が黄色く色あせてきた段階こそ、光合成産物が地下のイモへ完全に転流した収穫適期の合図です。まだ全体が濃い緑色をしている段階で掘り上げると、子芋の太りが不十分で収穫量が大きく減少してしまいます。
地域別の目安としては、寒冷地では10月上旬〜10月下旬、中間地(関東・東海・関西など)では10月中旬〜11月中旬、暖地では10月下旬〜12月上旬が基本となります。ただし、どんな地域であっても共通する絶対防衛ラインが「初霜が降りる前」です。熱帯原産である里芋は低温に極めて弱く、霜に当たって土壌温度が下がると、地表近くの子芋や親芋の頂部から細胞が壊死し、一気に腐敗が進行します。「葉が完全に枯れ切るのを待つ」のではなく、「葉が黄変し、初霜の予報が出る直前」に作業を行うのがプロの鉄則です。