大杉漣さんの役者人生は、まさに「現場主義」を貫いたキャリアでした。1970年代に太田省吾主宰の「転形劇場」で舞台俳優としてスタートを切り、沈黙劇などで徹底的に身体表現を磨き上げました。劇団解散後は映画界へ進出し、北野武監督の映画『ソナチネ』(1993年)のオーディションに合格したことで一躍脚光を浴びます。
以降、『HANA-BI』をはじめとする北野作品の常連となり、黒沢清監督の『CURE』、映画『シン・ゴジラ』の総理大臣役、さらには人気ドラマシリーズ『警視庁ゼロ係』やバラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』の「ゴチになります!」レギュラー出演まで、ジャンルを問わず幅広く活躍しました。
そして、事実上の遺作となったドラマ『バイプレイヤーズ』は、遺族と所属事務所の「漣さんが最後まで情熱を注いだ作品を届けてほしい」という意向を受け、予定通り放送が継続されました。第5話(最終回)のラストシーンでは、夕暮れの海岸で共演者たちと語り合う大杉さんの自然体の笑顔が映し出され、視聴者の胸を熱くさせました。