聖教新聞の紙面を開くと、選挙公示前や投開票日の前後に公明党所属議員の実績や候補者の横顔が大きく特集されている光景を目にします。一般紙が特定の政党や候補者に対して中立・公平な報道姿勢を原則とするのに対し、聖教新聞が特定の政党を明白にバックアップする背景には、歴史的および理念的な深い結びつきが存在します。
公明党は1964年、創価学会の第3代会長であった池田大作氏によって「王仏冥合」「仏法民主主義」を掲げて結党されました。その後の1970年、いわゆる言論出版妨害事件を契機に「政教分離宣言」が出され、制度上は公明党と創価学会は別組織として明確に分離されました。しかし、組織としての分離を経た後も、創価学会は公明党を「理念を共有する支持政党」と位置づけ続けています。
聖教新聞社が公明党を支援する理由として、学会側は一貫して「平和・福祉・教育の推進という共通理念の具現化」を掲げています。機関紙の紙面は、学会員に対する政策の周知だけでなく、「どの選挙区で誰を支援すべきか」という強固な意思統一を図るインストラクション(行動指針)の役割を果たしてきました。
選挙期間中における実際の報道内容を精査すると、明確なパターンが存在します。公示前には「公明党の実績紹介」「与党内での役割」「公明党が推進した法改正」などの記事が連日のように掲載され、公示後は推薦・公認候補者の氏名や政策、選挙戦の情勢(「一票差を争う大激戦」「逆転へ猛追」など)が緊迫感のあるトーンで報じられます。読者である信徒の熱量を極限まで引き上げ、組織的な投票行動へと直結させる動員装置として緻密に編集されているのが特徴です。