医療現場や当事者コミュニティの声を調査すると、制度に対する受け止め方や申請後の実感には鮮明な二面性が浮かび上がります。
SNSや当事者の手記において多く見られるのは、「手術で痛みが消えて歩けるようになったのは幸いだが、靴下の着脱や足の爪切りなど、屈曲を伴う動作に制限が残っている。手帳を取得できたことで、毎年の住民税や通院タクシー代が助かり、精神的な支えになっている」という前向きな評価です。日常のちょっとした不便に対する公的補償として、手帳の諸制度が機能している実態がうかがえます。
一方で、医療ソーシャルワーカーや整形外科医の現場からは、次のような困惑の声も上がっています。「患者さんの中には『手術をすれば当然手帳がもらえる』と信じ込んでいる方が少なくありません。基準改定によって、術後の経過が良好で歩行機能が劇的に改善した方ほど、診断書を書いても審査で非該当になるケースがあります。事前に判定基準のハードルを丁寧に説明しておかないと、期待とのギャップを生んでしまう」という指摘です。