日常的によく耳にする「お風呂いただきます」という言葉ですが、敬語の成り立ちを厳密に分析すると少し特殊な構造をしています。「いただく」は本来「もらう」の謙譲語、または「食べる・飲む」の謙譲語です。「食事をいただく」「お土産をいただく」という使い方が基本形となります。
お風呂は「食べるもの」でも「物理的に受け取るもの」でもないため、厳密な文法に照らすと違和感を覚える人が一定数存在します。しかし、相手の好意や準備(お湯張りなど)という恩恵を「受ける」という意味合いを含めた慣用表現として、現代の口語では広く許容されています。
よりフォーマルで間違いのない表現を使いたい場合は、謙譲語のルールに則った「お風呂を使わせていただきます」や「お風呂に入らせていただきます」を選ぶのが確実です。相手の設備を借りる許可を得て利用するという意味が明確になり、目上の人に対しても失礼のない響きになります。