飛行機を利用する旅行者にとって最大の関心事は、椅子付きキャリー機内持ち込みが可能かどうかという点です。大手航空会社(JAL・ANA等)の国内線・国際線における一般的な持ち込み制限は「3辺合計115cm以内(55×40×25cm以内)かつ総重量10kg以内」と規定されています。
ここで落とし穴となるのが、キャスター・取っ手・座面フレームの突起部分です。メーカー公称サイズが規定内であっても、折りたたんだ椅子の金具が数センチはみ出しているだけで搭乗口の測定器に収まらず、受託手荷物への預け入れを求められる事例が報告されています。LCC(格安航空会社)では重量制限が7kg以内に設定されていることが多く、キャリー本体だけで4kg近くある製品の場合、中身を3kg程度しか詰められない計算になります。
また、製品カタログに記載されている椅子付きスーツケース耐荷重の数字にも注意が必要です。「耐荷重100kg」「130kg対応」と書かれていても、その大半は平坦な床面で真上から静かに圧力をかけた「静止耐荷重」を指しています。移動で疲れて勢いよくドスンと腰を下ろした場合、瞬間的に体重の1.5倍から2倍近い衝撃荷重が接合部へ加わります。耐荷重80kgのモデルに体重65kgの成人が勢いよく座れば、ヒンジ部分や固定ピンが歪む危険性は極めて高くなります。