あの日の記者会見場は、異例の熱気に包まれていた。新潮社から刊行された写真集『NUDITY』は、発表と同時に社会現象を巻き起こし、瞬く間にミリオンセラーへと駆け上がった。しかし、世間の熱狂とは裏腹に、会見場に現れた彼女の表情は、晴れやかさの中に凄まじい覚悟を秘めていた。
メディアが当時盛んに報じたのは、脱いだという表面的な事実と、会見中に見せた一瞬の涙だった。だが、本人の胸中にあったのは決して受動的な被害者意識などではない。「自分という存在を、誰かの思惑ではなく自身の意志で表現し切りたい」という、苛烈なまでの自己証明の欲求だった。撮影の裏側では、ポーズ一つ、光の当たり方一つに至るまで、写真家・宮澤正明と徹底的なディスカッションが重ねられていたという。大人の都合に流されることなく、己の身体と表現に向き合った決断の真相がそこにある。