ゴーゴの役割は、単に園の人気者にとどまらなかった。地球温暖化に伴う氷床の減少によって野生下での生存が危ぶまれる中、国内の動物園が連携して取り組むホッキョクグマ繁殖プロジェクトにおいて、彼は極めて重要なキーマンとしての命運を背負うこととなる。日本動物園水族館協会(JAZA)の主導のもと、血統管理と遺伝的多様性を守るための広域ブリーディングローン(繁殖貸与)が綿密に計画された。
ゴーゴは繁殖を目指してパートナーである雌の「バフィン」や「イッちゃん」とのお見合いに臨んだ。命を未来へ繋ぐ試みは決して平坦な道のりではなかったが、熱心な飼育スタッフの観察と環境づくりが実を結び、見事に新しい命が誕生した。この成功は国内の種保存活動における輝かしい金字塔となり、日本中のファンに大きな希望を与えたのである。