本作の唯一無二の世界観を打ち立てたのは、原案者である犬丸りん氏だ。平安時代の貴族が現代の日本の家庭に居候するという斬新な設定は、発表当時から大きな衝撃を与えた。しかし、その根底にあるのは、人間の持つ愛おしさや滑稽さを温かい目線で見つめる緻密な人間観察である。
『おじゃる丸』は、子供向けアニメの枠を超えた日常ファンタジーアニメとして、日本のアニメ史に確固たる地位を築いた。大騒動が起きても最後には「まあ、いいか」とまったり解決していくストーリー構成は、忙しい現代社会を生きる大人の心にも深く刺さる。犬丸りん氏が残した心温まるイズムは、時代が移り変わっても色褪せることなく受け継がれている。