日本産科婦人科学会では、避妊をせずに定期的な性交を行っているにもかかわらず、1年以上妊娠に至らない状態を「不妊症」と定義しています。専門医の診断基準においても、この1年という期間がひとつの受診目安です。特に女性が35歳以上の場合は、半年経過した段階での受診が推奨されています。
子供を授かりにくいカップルに最も多く見られる共通点が、卵子の老化と年齢に伴う妊孕性(にんようせい=妊娠する力)の低下です。卵子の数は胎児期をピークに減り続け、年齢とともに質も変化します。30代半ばを過ぎると染色体異常の発生率が上がり、受精や着床の確率が自然と低下することは医学的な事実です。
さらに、排卵障害や子宮内膜症、卵管の閉塞など、自覚症状が乏しい授かりにくい体質や生殖器疾患が背景にあるケースも珍しくありません。自覚症状がないからといって問題がないとは限らず、まずは基礎的な検査で器質的な原因を特定することが解決の第一歩です。