大腸憩室炎の激痛はなぜ左下腹部に?ピーク期間と入院判断の真相を解説

大腸憩室炎の激痛はなぜ左下腹部に?ピーク期間と入院判断の真相を解説

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腹痛を感じて医療機関を受診した際、医師が最も神経を尖らせるのが「外来通院による自宅療養が可能か、それとも即日入院が必要か」というトリアージです。医学的な重症度分類(Hinchey分類や日本消化器病学会の重症度基準)に基づき、明確な判断ラインが存在します。

大腸憩室炎の入院基準と治療期間の目安として、以下の条件に該当する場合は即時入院が選択されます。

  • 経口摂取の可否:水分や流動食の摂取で腹痛が増悪し、経口での栄養・水分補給が困難な場合。
  • バイタルサインの異常:38.0度以上の高熱、頻脈、血圧低下など全身性の炎症反応が見られる場合。
  • 血液検査所見:白血球数が10,000/μL以上、またはCRP値が10mg/dL以上に跳ね上がっている場合。
  • 画像所見(CT):憩室周囲への炎症波及、膿瘍(膿の溜まり)の形成、腸管壁の肥厚やフリーエアー(腸管外の遊離ガス)が認められる場合。

入院となった場合、標準的な治療期間は約5日〜10日間です。最初の3〜5日間は点滴による水分管理と腸管の完全休養(絶食)、広域抗菌薬の経静脈投与を行い、採血データと腹痛の改善を確認した後に段階的な食事再開へと進みます。

一方で、絶対に我慢してはならないのが大腸憩室炎穿孔と腹膜炎の緊急サインです。炎症が腸壁全層を破壊して穴が開く(穿孔する)と、腸内の便や細菌が腹腔内へ漏れ出し、汎発性腹膜炎へと発展します。お腹全体が板のようにカチカチに硬くなり触れるだけで激痛が走る「筋性防御(デファンス)」、医師がお腹を押してパッと手を離した瞬間に激痛が走る「反跳痛(ブルンベルグ徴候)」が出現した場合、もはや一刻の猶予も許されません。敗血症性ショックから多臓器不全を招く危険性があり、夜間であっても直ちに救急要請が必要です。

また、大腸憩室炎手術が必要なケースの真相についても知っておく必要があります。初発の単純性憩室炎で手術に至る割合は全体の数パーセントに過ぎませんが、「腸穿孔による汎発性腹膜炎」「ドレナージ不可能な巨大膿瘍」「膀胱や他臓器との瘻孔(トンネル)形成」「炎症の繰り返しによる腸管狭窄(腸閉塞状態)」を来した場合は、外科的な腸管切除術や人工肛門(ストーマ)造設を伴う緊急手術が不可避となります。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。