『花より男子』シリーズにはこれまで、三条桜子(佐藤めぐみ)の陰湿ないじめや、大河原滋(加藤夏希)の一途ゆえの横恋慕など、数々のライバルが登場してきました。しかし、その中でも中島海が視聴者から浴びたバッシングの熱量は群を抜いていました。当時の大手掲示板「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」の実況スレッドやYahoo!知恵袋には、「見ていて本気で鳥肌が立った」「チャンネルを変えたくなるほど悔しい」といった悲鳴に近いコメントが殺到した記録が残っています。
海が猛烈な反感を買った最大の要因は、第10話のクライマックスで描かれた「手作りクッキー横取り事件」にあります。
重度の記憶喪失に苦しむ道明寺のため、つくしは寝る間を惜しんで、かつて2人の絆の象徴となった「道明寺の顔を象った手作りクッキー」を焼き上げ、病室へ届けます。しかし、道明寺の手元に渡る前にそのクッキーを預かった中島海は、翌日、道明寺が「誰が作ったんだ?」と尋ねた瞬間、屈託のない笑顔で「それ、私が焼いたの!」と嘘の自己申告をしてしまうのです。
他者のひたむきな真心と努力の結晶を、平然と奪い去って自分の手柄にする背信行為。このシーンの描写があまりに生々しく、道明寺を惑わす甘言と無邪気な表情のギャップが完璧であったがゆえに、海はお茶の間を敵に回す「絶対的ヒール」として全国の視聴者の脳裏に刻み込まれました。