高知県西南部に位置する「四万十町」と「四万十市」は、名称が似通っているために同一の行政区や隣接する似た町と誤認されがちです。しかし、高知県庁の地域区分や現地の地理的実態を見ると、両者は歴史的にも風土的にも異なる性格を備えています。
四万十町は2006年3月に高岡郡の窪川町、大正町、十和村が合体して誕生した町であり、町役場本庁舎(高知県高岡郡四万十町琴平町16番17号)は交通の要衝である窪川地区に置かれています。四万十川の上流から中流域を抱え、標高200メートルを超える高南台地を中心とするため、昼夜の寒暖差が極めて大きいのが特徴です。一方の四万十市は、旧中村市と西土佐村が合併して誕生した自治体で、四万十川の河口部に位置し、土佐の小京都と呼ばれる市街地が形成されています。
旅行計画を立てる際、最も警戒すべきは「四万十市を予約したつもりが四万十町だった」「窪川駅で降りるべき宿なのに中村駅まで移動してしまった」という移動トラブルです。両地点は車でも高速道路を使って約40〜50分、一般道なら1時間弱離れており、安易な徒歩やタクシー移動が通用する距離ではありません。この地理的差異の認識こそが、高知西南エリア探訪の第一歩となります。