ゴルフ場の現場や各種プレーログの統計データを紐解くと、「インスタート難易度」の高さに悩まされるゴルファーの生々しい声が浮き彫りになります。SNSやゴルフコミュニティでも「10番ホールのティーショットでいきなりOBを出して1日のリズムが狂った」「後半のアウトコースで巻き返したが前半のインで叩きすぎた」といった声が後を絶ちません。
コース設計家の多くは、トーナメントのクライマックスを演出するために17番や18番ホールに大きな池や深いバンカー、うねるグリーンを配置します。インスタートを選択した場合、体が完全に温まりきっていないスタート直後の2時間以内に、そのコースで最も難度が高い名物ホール群を通過しなければなりません。
スポーツ心理学の観点からも、序盤の大きな失敗は「認知バイアス」を引き起こし、「今日はドライバーが曲がる日だ」という自己暗示によってスイングの萎縮を招きます。アウトスタートであれば徐々に身体を慣らしながら難関ホールへ挑めますが、インスタートでは朝一番の入念なストレッチと練習場での打ち込みを怠ると、序盤でスコアが大崩れする構造的リスクを抱えています。