バンド「King Gnu」の躍進を支える大きな要因の一つに、メンバー全員が同世代の濃密な関係性で結ばれている点が挙げられます。音楽的バックグラウンドの異なる4名が、奇跡的なバランスで集結しました。
特筆すべきは、日本の芸術教育の最高峰である東京藝術大学の音楽学部チェロ専攻に入学しながら、わずか1年も経たずに中退しているという事実です。当時の特番インタビューやドキュメンタリー『常田大希 東京混沌-TOKYO CHAOTIC』などで明かされた彼の述懐によれば、既存のクラシック界における権威主義や再現芸術の枠組みに閉塞感を覚え、「同時代を生きる大衆を熱狂させるカルチャーを作りたい」という切実な焦燥感からドロップアウトを選択しました。
この「最高峰の技術を体得した上で捨てる」という美学こそが、難解な現代音楽とキャッチーなJ-POPを高度に融解させる、唯一無二のサウンドスケープを成立させています。